❤童貞ヒーロー × 後宮から下賜されたヒロイン

蘭蒼史先生のカバーイラストが素晴らしいのです。
マリエとフェルディナントの衣装に、ため息が……❤
バルトシェク王国王家3兄弟の次男、フェルディナントのお話。
(もちろん、今作だけ読んでいただいても大丈夫です!)
ぜひ書いてみたかった童貞ヒーロー&経験豊富(?)なヒロインのカップル。
ですがこの作品だけ、なぜかamazonではアダルト扱いになっていまして……
(どういう基準なんでしょう? サブタイトルのせい?)
一度アダルト扱いになると、以降カテゴリ変更してもらえないようです。
とほほ……(T ^ T)
★amazon kindle unlimited対象(2020/12月現在)
ところが後宮が廃止に。
密かに想い続けていた美しい将軍フェルディナントとめでたく結婚するが、
初夜のすれ違いから夫婦になれないまま時間が過ぎてゆく。
自分に触れようとしない夫に、浮気を疑うマリエ。
だが、近衛兵とのトラブルをきっかけに秘密が明らかになる。
なんと、フェルディナントは童貞だったのだ。
夫婦生活を成功させるために、閨での主導権をマリエがとることになり……。
【お試し読み】
純白の夜着をまとった男女が、広い寝台のうえで手足を絡みあわせていた。
荒い吐息、衣擦れ、肌と肌が擦れあう秘めやかな音 淫らで甘い空気が、暖炉の炎であたためられた寝室に満ちてゆく。
「……んっ……あ、ああ……フェル…ディナント……さま……」
白いシーツにあお向けになったマリエ・フィアロヴァは、長身の美丈夫に身体をゆだねていた。今朝、教会での誓いと署名を済ませ、夫になったばかりの男性だ。
フェルディナント・ブルージェク将軍 ユーラシア大陸の南西に位置するクラル内海の、ほぼ七割を包囲する大国、バルトシェク王国の第二王子。
婚礼用の白い部屋着を身につけた彼は、大きく開かせたマリエの脚のあいだに顔を埋めている。
「ふっ……うう……っ……」
手で覆い隠したマリエの赤い唇からは、どう堪えても快楽のあえぎが漏れる。
フェルディナントの舌先が、意思のある生きもののようにマリエの秘めた肉襞の上を這いまわり、敏感な肉芽をちろちろと嬲った。
その肉の芽を軽く甘噛みされ、音を立てて吸いあげられると、マリエの意識はどこかに飛んでしまいそうになる。
「 あ、ああ……もう、いやです……恥ずかしい……」
肉体の秘められた場所をあられもなく開かれ、見つめられ、しかも口淫をされている そんな淫らな快楽に流されている自分が怖くなり、マリエは逃れようと身体をよじった。
けれど、ゆうに頭ひとつ分は大きい夫からは、どうあがいても逃げられない。
フェルディナントの濡れた舌は、マリエの太腿のはざまを犯すように、ねっとりと這っていく。
肉芽の下に続く二枚の襞に舌先が触れ、交互に、くりくりと抉るように弄られた。すると、男性を受け入れる場所から、あたたかい液体がこぼれ出してくる。
「ふっ……う、んん……」
抵抗の代わりに唇から漏れるのは、甘いあえぎだった。
花びらを舌で愛撫しながら伸ばされた大きな手のひらが、薄い夜着の上からマリエの豊かな乳房をつかみ、揉みしだいた。
「……つっ!」
胸を揉む力が強すぎて、苦痛の声が漏れる。
が、フェルディナントは、それには気づかないようだった。
揉みしだく力は弱まらないどころか、彼はマリエの秘裂にある小さな肉芽に激しくむしゃぶりつき、歯を立てる。
きっと、興奮して抑えがきかないのだ。
「お、お願いです、将軍……! おやめください……!」
痛みと恐怖から、マリエはとっさに夫の金髪を両手でつかみ、向こうへと押しやった。無我夢中だったせいか、思いがけず強い力が出る。
そのとたん 。
「なにをする!」
怒りを帯びた声が、静かな寝室に響きわたった。
驚いて竦みあがったマリエは勇気をふりしぼり、閉じていた目蓋をそっとあけてみる。
『氷の将軍』の異名を持つ怜悧な美貌が、ひたとこちらを見据えていた。
こんな堂々とした美しい男性の妻になったのだと思うと、嬉しさや誇らしさとおなじだけの気おくれを感じてしまう。いまだに「本当にわたくしでいいの?」と自問してしまうのだ。
けれどいま、夫の、わずかに吊りあがった美しい碧眼は、あからさまな怒りを宿してマリエを見つめている。
「そんなに、嫌なのか……わたしに抱かれるのが……」
低い声でつぶやいたフェルディナントは、血色のいい唇をきゅっと噛みしめた。
興奮で輝いていた蒼い瞳が、見る見るうちに暗く翳っていく。
「いいえ……いいえ! ちがいます!」
マリエは、震える声で訴えた。
(なんてこと! わたくしは、取り返しがつかないことをしてしまった……!)
嫌な感触が、背筋をじわりと這いあがってくる。
その予感通り、寝台を離れたフェルディナントは、マリエに背を向けた。部屋から出ていくつもりなのだ。
「ちがうのです! お待ちください! フェルディナント将軍!」
急いで床に降りたマリエは、あられもない姿のまま、フェルディナントを追う。けれど、傷ついた夫が立ち止まることはなかった。
残酷な拒絶とともに、重厚な扉が音を立てて閉じられる。
あとにはマリエの声だけが、むなしく反響していた。
「……そんな……フェルディナントさま……」
身体から力が抜けていく。
マリエはそのまま、冷たい床にへたり込んだ。気がつかないうちにあふれた涙が、頬を伝っていく。
冷酷で容赦のない『氷の将軍』。
あの方の意に沿わないことをすれば、女や子どもでも容赦なく斬り捨てられます。
馴れ馴れしくふるまって指を切り落とされたご婦人がいると、もっぱらの噂でございます。
女官たちからさんざん聞かされた言葉が、亡霊のようにマリエの脳裏によみがえる。
事実だ。たとえ女性や子どもであっても、斬らなくてはならない状況であれば、わたしは迷うことなく斬る。
それは他でもない、「本当に女性や子どもに剣をふるうのか」と問うたマリエに、フェルディナント自身が返した言葉だった。
人の噂をむやみに信じるのは愚かだけれど、その噂のなかには、ひと握りの真実がまぎれているもの。やはり彼は、永久に溶けない氷の心を持っているのかもしれない。
今夜、自分の身に起こったことが、それを如実に証明しているではないか。
初夜の床で新妻をいたわることもなく、自分勝手な欲求を満たせないとわかったとたんに、手のひらを返してしまうのだから 。
鎧のような氷の向こうから手を伸ばす、無垢で臆病な子どものままのフェルディナントを見たと思ったのは、きっと、マリエの錯覚だったのだ。
「……うそ……信じたくない……わたくしの夫は……わたくしが愛したフェルディナントさまは、そんな人でなしではないはずよ……」
いくら自分に言い聞かせても、マリエの身体は芯から冷えてゆく。
背筋を走る悪寒は、大理石の床から立ちのぼってくる冷気のせいではないはずだ。寝室には大きな暖炉があり、たっぷりとくべられた薪が赤々と燃えている。
十八世紀なかばの、春浅い夜のできごとだった。
華燭の宴を終えてひっそりと静まりかえった白い宮殿を、青白い月が煌々と照らしていた。
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